たけちゃん先生の『私のものがたり』

第1章 私と歯医者さん

MONOGARARI.jpg私は小さい頃人見知りが激しく、知らない場所へ行くといつも泣いていました(とは言っても覚えていません・・)。中でも特に激しく嫌がった場所は病院でした。ある時、予防注射をしに行ったとき、腕に注射器をつけたまま逃げ出して、私の母親が捕まえるのにとても一苦労したらしいんです。歯医者さんに行くのも大変で、「帰りにおもちゃ買ってあげる。」とか、「痛くないから。」とか母親がなだめすかして、ようやく歯医者さんに行ってもそこでまた大泣き。(汗)この頃ハミガキがうまくできなかったのでムシ歯が多いし、昔の歯医者さんの治療は削る事が中心だったので、行く度にドリルで歯を削っていました。

 

MONOGARARI2.jpgまたそこの先生が厳しくて、今でも覚えていますが、泣き出した自分に「もっと泣け!」といって怒るんです。そうすれば、口が開いて削る事ができるからだったんでしょうね。ただ、そこの歯医者さんに行くとほとんど毎回フッ素(*1)はつけていました。時々は歯を削らない日もあって、お姉さんに薬を塗ってもらうだけのときもありましたが、今から思えばシーラント(*2)だったんだろうなと思います。

 


MONOGATARI3.jpg小学校くらいになるとだんだんハミガキができるようになってきました。乳歯の治療も少なくなって、削らずにフッ素をつけたり、シーラントをつけるだけに通うことがふえてきました。だんだん乳歯が抜けていき、大人の歯になっていったらまたフッ素とシーラントをしていきました。その間も家ではハミガキをしっかりとやっていました。先生が厳しい分怒られたくなかったので頑張ってハミガキをしたんです。

 


その結果、大人の歯ばかりになった今はムシ歯は1本もありません。でも、怒られたくないからハミガキすると言うのは 悲しいなぁと思います。歯医者さんに対していいイメージが残っていないんですよ。「歯医者さんに怒られた」「怖い」「怒られたくない」という恐怖心が、心の傷となってなかなか忘れられないですよね。歯科医師となって、お子様の治療をしていく立場となった今、自分が感じた気持ちを与えたくないなぁと強く思っています。初めて歯科治療を受ける子はもちろん、歯医者さんは怖いなぁと思っている子でも、ニコニコ笑って武内歯科医院の扉を開ける事ができるようになったらとても嬉しいですね。

歯医者さんに限らず、病院にすすんで行きたいという方はまだ多くはないと思います。これからは病気を治すことだけに行くのではなく、病気にならないように病院に行く『予防』が定着していけば、病院、歯医者なんてもう怖くないですよ。

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(*1)フッ素

 歯医者さんでぬるフッ素に歯を強くする作用があります。歯を強くする事でムシ歯菌が出す酸に対して抵抗性を示します。しかし、歯磨きをしないと汚れが多すぎて、いくら歯を強くしてもムシ歯になっていきます。ムシ歯にならない魔法の薬ではないということです。


(*2)シーラント

 奥歯の噛み合う所には溝があります。この溝には汚れがたまりやすく、また、歯ブラシでも掃除しにくいため、ムシ歯になりやすい所の1つです。その溝をあらかじめ薬を使って埋めておくと、汚れがたまりにくく、ムシ歯になりにくくなります。これをシーラントといいます。しかし、フッ素と同じでシーラントをすればムシ歯にならないわけではありません。日ごろのハミガキをしっかりしましょう。